「バンテージ・ポイント」
訪問先のスペイン、大観衆の目の前で暗殺されるアメリカ大統領。
それを目撃、関わった8人の視点から暗殺を描き、
真相が明らかになっていく映画。
大統領に近い立場の人間から、たまたまそれに巻き込まれてしまう人まで登場人物はさまざまで、
彼らのバックグラウンドも簡潔に知ることができてなかなか厚みがある。
導入部分にも世相をからめてあって、
コンパクトにうまくまとめてあるところが上手い。
前半は暗殺シーンが何度も繰り返されるのでじれったい思いもするのだけど、
少し我慢すればあとはジェットコースターのようにどんどん展開していくので
休む暇もない。
さらにその途中にもトリックが仕掛けてあるわ、
ありえないほどのカーチェイスもありかなり盛りだくさん。
時系列もうまく結びつくと共に、ストーリーも見事にまとまる。
シリアスではあるものの、大統領SP役のデニス・クエイドの不死身っぷりが凄すぎて
この辺りが娯楽映画的でかえっておもしろい。
さらに人気スターとまでは言えないけれど、実力演技派の出演者陣がまたいい。
私の好きなウィリアム・ハートやフォレスト・ウィテカーも出てるし、
シガニー・ウィーバーもチョイ役で出てくるという豪華さ。
(ついでにLOSTのジャックまで出てる…好きじゃないけど)
話題の大作ではないんだけど、見たらお得感のあるアクション&サスペンス娯楽作品でした。
http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/
「アメリカンギャングスター」
実話と聞くとどうも弱い。
フィクションだとしても納得いくくらい無駄のないストーリーで、
キャラクター重視で男クサーイ雰囲気に、
時間も忘れて引き込まれた。
頭の切れる麻薬王を演じるデンゼル・ワシントンはさすがの迫力だし、
彼を追い詰める麻薬捜査官役のラッセル・クロウは好きではないのだけど、
コツコツと地道に捜査を進める不器用な役どころがもうピッタリ。
脇を固める面々もそれぞれアクが強いんだけど悪目立ちしなくて
全体に厚みがある。
60年代後半から70年代の雰囲気も自然で、
当時の映画を見ているような感じ。
主役の2人は映画の後半まで直接出会わない。
2人が初めて言葉を交わすシーンはゾクゾクした。
かなりの見ごたえある映画です。
http://americangangster.jp/
「エリザベス:ゴールデンエイジ」
前作の続編というにはちょっとぼやけた感じで
全く別物として見るのが適しているのだけど、
それでもケイト・ブランシェットには当たり役だと思う。
ただ、ケイトと衣装の懲り様以外は特別見るべきものはなし。
メアリー・スチュアートを処刑するかしないかで苦悩する点では
ヘレン・ミレン版の方がしっかり描いていたし、
1本の映画としてはスペインの無敵艦隊を全滅させ勝利するところが見せ場なのに、
今作品ではどうにも中途半端で、
衣装代にお金をかけすぎて予算不足だったのかなーと思う程。
あれならああいうアクション的シーン無しの方がよかったんじゃないのかな。
どうも1シーン1シーンのアングルとか見た目に重点をおいてる気がして、
まるでケイト扮するエリザベス女王のビデオクリップみたい!
そして見所の衣装は素晴らしすぎて、ストーリーそっちのけでじっと見てしまう。
繊細で美しいレース…こんなのを着れるケイトが羨ましい。
彼女や、ちょっと似てるティルダ・スウィントンのように
色素が薄い感じの独特な美人ってこういうコスチュームが似合うんだよねぇ。
あんなふうに生まれてみたい☆
映画自体は宣伝文句ほど大層なものではなくて、
クィーン・エリザベスはこんな人の入門編って具合。
残念ながら…
雑穀米でヘルシーライフ
一生の不覚…
あぁぁぁぁ、行かなかった事が悔やまれる。
こんなのを見ちゃったらなぁ…
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/14/images/KFullNormal20080214030_l.jpg
私のアホーッ!!