「ブラッドダイヤモンド」

ディカプリオって、かっこいいなんて思ったこともないし、
出演作品もいまいち好きにはなれないものばかりだったけれど、
これは今までの印象と違ってマッチョで、作品はすごーく良かった。
良かったというか、見た後も考えさせられることばかりで、
娯楽としてはとらえられない。
ダイヤモンドに関する黒い噂はおぼろげにしか知らなくて、
聞いたことはあっても、じゃあダイヤは買わない!とまでは考えなかった。
全てが黒いわけではないけれど、区別がつかない以上
買うことはためらわれる。
映画には大きく二つの問題が描かれていて、
一つはダイヤの黒い流通、もう一つは南アフリカのゲリラに所属する少年兵。
想像を絶する残虐な殺戮と、暴力に何の疑問を持たなくなっていく少年たちの様子が、
現実とは思いたくなくなるくらい残酷。
何事もなく普通に好きなものを食べて、好きなことをしている私は何なんだと
思ってしまう。
リアルだけど映画、映画なんだけど実際に起きていること。
まるでドキュメンタリーのようだった。


ディカプリオはマッチョでも有能な傭兵のイメージではなかったように思えるが、
ある種の凄みは感じた。
ジェニファー・コネリー演じるジャーナリストに出会い、
心を通じ合わせ始めてからの彼の感情は痛いほど伝わってきて、
最後の二人の電話での会話は、ノンフィクション的な全体の流れの中で、
物語的というか、悲しい結末ではあるのだけれどホッとする部分だった。
ジャイモン・フンスー演じるソロモンの家族が再び一緒になることよりも、
印象に残るシーンだった。
ジェニファー・コネリーは昔の美少女イメージから見事脱却して、
アクトレスというよりアクターと呼びたい☆
以前見た「アクターズスタジオ」のインタビューはかなり面白くて、
気になる俳優さんの一人。
ディカプリオとのカップルには違和感があるのだけれど。