カワウソを飼いたくなる?

最近の私は何冊も並行して、その時々で好きな本を手に取り、
少しずつ読むという読み方をしている。
今は5冊くらい読みかけの本があるが、
今日は久々にマクスウェルの「カワウソと暮す」を開いた。
1ヶ月ぶりくらい??


長年一緒に暮らした犬のジョニーの死にうるっときた後、
ようやくカワウソ「ミジビル」との生活の章に入った。
カワウソなんて、「伝染るんです」くらいしか知らなかったけれど、
一日中遊ぶ性質だったり、頭がすごくいいことだったり、
学術的アプローチでなく、一緒に暮らしているという立場での
マクスウェルの日々の発見ひとつひとつがとても面白い。
中でも、イラク→パリ→ロンドンを空路でミジビルを運んだ時のことが、
お嬢さんを飛行機や新幹線で運んだ経験のある私には
筆者のうろたえぶりが想像できるので、身につまされるようだった。
マクスウェルの場合、まさにコメディ映画のような経験を
強いられたのではあるが。


傍から見ると散々な目に遭うマクスウェルだけれど、
他人事のように読みながらもカワウソと暮らしたくなるのは、
彼自身のミジビルに対する愛情が文章に満ち溢れているから。
手の骨がくだけるほど噛まれても、直後のミジビルの
「悪いことをしてしまった!」という反省の表情を見逃さないのは、
安易にカワウソを飼おうとしたのではないことの表れだと思った。
数多のトラブルと同時に、愛嬌あふれるミジビルの行動には
苦労を忘れるほどの可愛さがある。
ベッドで筆者の隣で寝る姿、筆者に遊べとボールを持ってくる姿、
想像するだけで口元がゆるんでしまう。
ミジビルは新種のカワウソだったので、学名がつけられた時、
マクスウェルの名が入った。
彼にはふさわしい名誉なのだと思う。

*RING OF BRIGHT WATER              PGRN3 (Penguin Readers (Graded Readers))