あれから20年

日航機が御巣鷹山に墜落してから今日で20年ということで、
テレビでは関連番組をいくつも放送していた。
去年くらいからだったか、事故に関する本を何冊か読んでいたので、
本で知った犠牲者や遺族の方々、関係者の姿を目で見ることができた。
読んだ中で特に心に残っているのは「墜落遺体」と「沈まぬ太陽 御巣鷹編」だ。
沈まぬ太陽」は小説だけど、御巣鷹編の内容は限りなく事実に近いものだと思う。
両方に共通するのは、遺体確認の場にいた遺族の悲しみ、苦悩と、
その感情を共有しながらも最後まで作業に専念した関係者の心情が描かれていること。
医師や看護師のプロ意識には脱帽したし、「加害者」の立場で遺族と関わった
JALの社員たちの苦悩する姿には胸がつぶれそうになった。


その場にいた人が全員涙したという、母親の服のボタンを握り締めていた赤ちゃんの手。
恐怖に怯えながらも家族に遺書を残した人たち。
腕だけの部分遺体を一目で夫のだとわかった妻。
520人の犠牲者の中に妊娠していた女性がいたため、実際は521人だったということ…


凄惨で、悲しい状況の中、おにぎりを握り続けた地元の女性たちには、
読んでいる私まで暖かい気持ちにさせられた。
JALが用意したのは鶏のからあげ弁当だったらしい。