「ラブ・アクチュアリー」

イギリス映画ってだけで贔屓してしまうけれど、
これは見ている間中、笑ったり泣いたりしっぱなしだった。
たくさんの登場人物それぞれの愛を描いていて、
立場は様々だけどみんな一途に相手のことを想っていて、微笑ましい。
愛の始まりだけにポイントを置いているので、ドロドロしたものもない。
見ている側の経験によって、感じ方や思い入れのあるキャラクターがあると思う。
私は妻を亡くしたダニエルの息子サムの初恋と、
親友の新妻に報われない恋をしているマークのエピソードが好き。
前者はてっきりダニエルの新たな恋が描かれるのかと思ったら、
(そっちも少しあるけど)実はサムっていう意外性も良かったし、
サムの一生懸命さとあきらめ感が「子供だから」という前提では語れないほどなのだ。
「片思いほど不幸なことってある?」と父親に言うシーンがおもしろい。
ダニエル役がリーアム・ニーソンというのも意外なところだし。
そしてマークの恋。
親友の結婚式のために、彼のことが好きなの?と聞かれるくらい奔走して、
でも実は親友の妻ジュリエットへの愛のためだった。
結婚式で撮影したビデオでそれがばれてしまうのだけど、
その時の二人の沈黙が本当に切ない。
(下記のサイト内の"FIND LOVE"でそのシーンが見れる)
マークの恋の切なさはとてもうまく語れない。
それにしてもキャスティングが豪華!!
イギリスの俳優の有名どころが総出演って感じ。
脇役にも名の知れた人がカメオ出演のような形で出てくる。
ローワン・アトキンソンクラウディア・シファー、24のキム役エリシャ・カスバートなど)
おもしろいキャスティングの筆頭は、首相役のヒュー・グラント
この人はこういうちょっと煮え切らない優男がよく似合う♪
ダウニング・ストリートの公邸内で踊るシーンや、
ナタリーを探して一軒一軒訪ねて言われるがままに歌ったりと、
今ではイギリスのコメディには欠かせない人だ。
で、ここで思い出すのが「フォーウェディング」や「ノッティングヒルの恋人」。
と思ったら、今作品がこれらの脚本を書いていた人の監督デビュー作だった!
(さらに、ローワン・アトキンソンのTVシリーズやブリジット・ジョーンズも)
うーん、なるほどね。
(ちなみに、プロデューサーはハロッズのオーナーでもあり、ダイアナ妃の最後の恋人ドディのお父さん!)
「ラブアクチュアリー」には音楽に凝ったシーンが出てくる。
ビル・ナイ扮する往年のロックシンガーというキャラクターもそうだし、
彼のビデオクリップはロバート・パーマーの「恋におぼれて」のパロディ。
コリン・ファース扮するジェイミーが"Alone again, naturally"と呟いたり、
ジュディが"All I want for Christmas is you"と言ったり、
マークがINXSのビデオクリップのように、文章を書いた紙をめくって見せて告白したり…。
80'sを聴いていた世代には思わずにやりとしてしまうシーンが隠されている。
とにかく私にはストライクな映画で、何度も見たくなりそうな1本でした☆
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