「007/カジノロワイヤル」

新しいジェームス・ボンド役がダニエル・クレイグに決まった時、
えぇぇぇぇぇ…と思ったし、
(「トゥームレイダー」の彼からは想像もつかないことだ)
いまだにかっこいいとは思いがたいのだけど、
ラストシーンの彼は見事にジェームス・ボンドだった。
ジェームス・ボンドが真の「007」になるまでの話なので、
このストーリー自体があのラストシーンに至るためのものとも言える。
ダニエル・クレイグ→えぇぇぇぇぇぇ…」の当時の世間の反応からすると、
公開後はかなりの評判だったのでどんなもんやらと思ってたけど、
うんうん、確かにこれは出来がいい!
今までのボンドに比べるとかなりマッチョ系のダニエル・ボンドだけに、
アクションがずっと肉体的。
血も流れ、痛みに声をあげ、身も心も苦しみを見せる。
(若さゆえの苦しみもあるけど)
ティモシー・ダルトンピアース・ブロスナンでは似合わない。
「カジノロワイヤル」が次回作だったからこその配役なのかも?
ラストでは立派なクールなスパイ「ジェームス・ボンド」が完成したけど、
次回作からダニエルがどこまでそれを演じきるのかに期待☆
既存のシリーズとはまた違ったシリーズが始まる感じかな。


この作品はおおざっぱに言うと前半がアクション、
中盤がポーカー対決の心理戦、終盤は恋愛で構成されている。
アクションはかなりのもので見ごたえあり。
高所恐怖症だったら恐ろしくて目を背けるかも〜。
空港でのシーンも着陸寸前の飛行機と!!なーんてシーンなどに
気持ちが高ぶるのだけど、
スポンサーのヴァージン・アトランティック
(巨大なエアバス社の新型機??を提供したらしい)のロゴがあちこちに
出てくるのが気になって非常に鬱陶しい。
以前に「アイランド」という映画についても書いたことがあるけど、
あからさまな宣伝はせっかく楽しんでる気持ちが萎えてしまう。
今回目立ったのはヴァージンとソニー
リチャード・ブランソンをカメオ出演させたりと、気を使いすぎ?
あと、レンタカーといえどフォード車に乗るボンドもなんかイヤだわ。


いいところとしてはちょっとマニアックな小ネタが散りばめられていて、
ポーカーで勝ったボンドが64年型アストン・マーティンをゲットしたり、
セリフの中にミス・マネーペニー("MONEY"&"PENNY")がでてきたりする。
(ボンドがヴェスパーと初めて会った時の会話で、
 財務省から派遣され"MONEY"係となったヴェスパーが
 "PENNY"まで綺麗だね、とか何とか言うボンドのセリフ)
今はオメガ愛用者のボンドに、ヴェスパーが「それロレックス?」と
最初に聞いたり(昔はロレックスだった)、
ボンドがいつも飲むマティーニを細かく注文したり。
(「ヴェスパー」と命名する)
制作スタッフも007大好きなんだね〜って意図を感じた。
ちなみに、脚色としてポール・ハギスが参加しているのだけど、
人間味あるボンドにするための人選だったのかなと思ったり。
豪華なバハマのワン・アンド・オンリー・オーシャンクラブや
美しい景色なども見所。
Mの自宅に置いてあったブラウンのバルセロナチェアもステキだった。
欲しい…


キャスティングに関して、
ジュディ・デンチはすっかり「M」役を確立してる。名優。
ヴェスパーのエヴァ・グリーンは綺麗だけど、
2着目?のパーティドレスでのメイクが似合ってなかった。
ソランジュのメイクもケバすぎ。
マティス役の俳優さんはどっかで見たことがあると思ったら、
ハンニバル」でレクターに窓から吊るされる刑事役の人だった。
あと、主題歌がよくない…かなりガッカリした。
エンドクレジットでおなじみのテーマ曲がかかってワクワクしたのだけど、
帰っちゃうお客さん続出でなんだか勿体ないわぁ〜
http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/