「ミリオンダラーベイビー」

私はクリント・イーストウッドが好きではない。
出演作も監督作も全部見たわけではないけれど、苦手。
高い評価を受けた「許されざる者」もダメだったので、
これを見るのはちょっと躊躇しつつ見た。
偶然にも、昨日の「クラッシュ」と同じポール・ハギス脚本。
この脚本なら映画も作りやすいだろうと思えるほど、
話の流れがスムーズで、自然に心に訴えかけてくる。
終盤は重苦しいはずなんだけど、愛おしさがある。
ヒラリー・スワンクは美人ではないし、
ボクサーだから色気は感じさせない役柄なのに、
怪我をしてベッドに横たわる姿はとても綺麗だった。
ボス=クリント・イーストウッドとのお互いへの深い愛情が
言葉はなくともビシビシ伝わってきて、心を揺さぶる。
それを見守るモーガン・フリーマンの演技が、
クリント・イーストウッドをうまく支えているように思った。
イーストウッド出演作の中ではこれがいちばんいいかな。
ミリオンダラー・ベイビー [DVD]