私のキャマスフィアナ

ギャヴィン・マクスウェルの「カワウソと暮す」を読み始めた。
この本はネットサーフィンならぬ、ブックサーフィンで出会ったものだ。
スコットランドの辺鄙な入り江にてカワウソと共に暮らしたマクスウェルの物語。
「キャマスフィアナ」とはマクスウェルが名付けたその入り江のこと。
地図は載ってないが、私が行ったことがあるスカイ島の辺りにあったらしい。
そもそもこの本を読もうと思ったのは、「キャマスフィアナ」の在った場所を訪ねる
文章を読んで興味を持ったから。
「キャマスフィアナ」はこの本がベストセラーとなった頃はたくさんの人が
訪れたらしいが、今ではその名残はないそうだ。


私が今読んでいる前半部分はキャマスフィアナの情景について書かれている。
マクスウェルがこの地に住むことになったのは
社会のしがらみから逃れるためであったから、ここは自然そのもの。
入り江に流れ着いた漂流物を家具や生活道具にしてみたり、
様々な野生の動物たちの様子など、アウトドアに縁のない私にはとても新鮮で楽しい。
一度抱いてみたら付きまとって離れなくなった
「まるで玩具のような」ゴマフアザラシの赤ちゃんのくだりなんて、うらやましいくらい!
マクスウェルの理想郷のキャマスフィアナ、
私のキャマスフィアナは少なくとも今住んでいるここではないなあ…



このところ猟奇的な本ばかり読んでいた私には、
「カワウソと暮す」と「バッテリー」には心が洗われるかのよう。
「バッテリー」は人に薦めておいて私はまだ読んでいる途中なのだが、
薦めた相手に先を越された模様。
Ring Of Bright Water Trilogy バッテリー (角川文庫)