アイランド試写会

久々に試写会というものに出かけた。
主演の二人と監督、おおざっぱなあらすじくらいの知識で見たんだけど、
いやまあ何というか、思わず笑ってしまうようなツッコミどころの多い作品でした。


まずは良かった点…少々ネタバレあり↓
出演者がいい!!!
駄作であろうがミスキャストであろうが出演してさえいれば
(個人的に)気になる存在のユアン・マクレガーはおいといて、
ワタクシの愛するショーン・ビーンが出ているのだー!!
タイトルにその名前を見つけた瞬間から、
「ショーンは悪役」と判明するくらいに悪役(しかも必ず死んじゃう)か
歴史モノ(?)しか最近は演じていない印象の彼、
今回は肉体派敵役ではなく知性派なのだった。
ショーンが出る度、ユアンの存在がかすんでいくのさ。
あぁぁ、なんてカッコイイ男!
あの目がたまりません。
スカーレット・ヨハンソンはスクリーンでは初めて見るのだけど、
なるほど、年上キラーっぽい雰囲気を持つ女優だなと納得。
ユアンとのコンビは、お互いに感情を抱かなかった頃の方がしっくりくる気がした。
ラブシーンはセリフのせいもあるが、あんまり似合ってなかった。
あと書いておかねばならぬのがスティーヴ・ブシェミが出ていることかな。


良くなかった点…大いにネタバレあり↓
まず目に付いたのはスポンサーなのか、やたらと有名企業(ブランド)のロゴが
映し出されること。
PUMAに始まり、次々とCMのようなアピール映像が組み込まれていて、
その間少なくとも2、3秒は映画そっちのけ状態。
近未来モノにありがちな「未来はこのようになります」的表現ではなく、
こういう契約なんだろうなと思わずにいられない嫌らしさを感じた。


ストーリー自体は色んな映画の寄せ集め感があり目新しさはない。
個人的には嫌いじゃないジャンルだけど、作り方次第で駄作になってしまう系列だわ。
「アイランド」の場合、ストーリー重視の作品とはとても思えず、
中盤からの展開は何か定まらない感じがした。
たぶん製作者側は観客にクローンへの感情移入を期待しているのだろうけど、
私には無理だ。
ブレードランナー」のレプリカントの方がよっぽど物悲しさを感じる。
ユアン演じるクローンの依頼者のキャラクターは面白かったけど。
全体的にセリフは陳腐だし、無意味なシーンもある。
それにしてもこのストーリー、伏線をいろいろ残したまま使わずに終わるのは
わざとなんだろうか?


この映画の売りはやはりアクションと特殊撮影(CG技術)なんだろう。
中盤以降からその手の手練手管を嫌というほど見せつけられる。
私はそういった最新技術を使って表現することに異論は全くないが、
使い方が問題なのであって、「アイランド」はそれが下手だと思った。
その技術を使いたいがために作ったような、とってつけたようなシーンの連続で、
笑いをこらえるのに必死になるようなシーンもあった。
無意味な過剰なアクションのせいで、脚本家が意図したであろう
クローン人間の悲しみなんてものは吹き飛んでしまった。
見た後に何も残らない商業映画の象徴のような展開には、
いい役者を使っているのがもったいない気がする。
やはり「アルマゲドン」「パールハーバー」の監督では無理か。
もうこの手のB級に徹しきれない駄作はいらないよ〜!
とりあえず、個人的にはショーン・ビーンが見れたので良しとします。