時代劇とドキュメンタリー

お昼は時代劇専門チャンネルで「鬼平犯科帳
数ある時代劇の中でも、鬼平は本当に丁寧に作られている気がする。
原作を壊さない脚本や、平蔵はもちろんのこと、登場人物が端役にいたるまで
存在感のある演技だし、場面場面が絵になるかのように撮られている。
吉右衛門さん演じる平蔵のかっこよさには思わず惚れ惚れしてしまう!
歌舞伎役者のせいか所作がサマになっていて、座る動作一つとっても色気を感じる。
そして本当にすごいと思うのは、ジプシーキングスをテーマ曲に選んだこと。
曲の最後までドラマの余韻を楽しめる、大人の時代劇なのです。
↓今欲しい本(^o^)
江戸切絵図にひろがる鬼平犯科帳、雲霧仁左衛門 (時代小説シリーズ)



夜はNHKスペシャルで、読谷村民が語る悲惨な戦争体験を知る。
読谷村は行ったことがあるのでなんとなく見始めたのだけど、次第に引き込まれていた。
米軍が上陸した読谷村の生き残った住民は、今までその体験をあまり語ることが
なかったそうなのだが、後世に伝えるため村の戦史をまとめる作業をしている。
集団自決の起きた洞窟で息子を失い、それ以来全く語ろうとしなかった女性は
初めて重い口を開き、孫の前で昨日のことのように感じるその時の話をする。
話し終えた後、孫に「おばあ、生きていて良かったね」と言われて見せた笑顔が
救いのように思えた。
今まであまり語られなかった、日本軍による住民の虐殺も考えられないくらい残酷だった。
上陸した米軍に保護され食料を供給されていた集落の人々が、
山にこもっていた日本軍にスパイと決め付けられ、残虐に殺されたそうだ。
父親を殺された当時4歳の女性は手榴弾で全身に破片を浴び、母親は夫の死に精神を病み、
兄も女性が成人後に父親の死に様を伝えた後、精神を病んで今も療養している。
番組内で同じところに居合わせた別の女性と会い、初めて自分の苦しみを
分かち合うことができたとのこと。
他にも、飢えに苦しみながら終戦も知らず、米軍に保護されるまでジャングルを
さまよった家族など、悲惨という言葉しか見つからない。
どんな言葉を連ねても、その人たちの思いを表せない気がするのだ。